はじめに、先シーズンは私にとって新たな一歩となりました。スノーボードをはじめ18年目、競技の世界に飛び込んでからは10年目と言う節目のシーズン。その10年目は、社会人として迎える1シーズン目でした。それまでも大学生、大学院生と学業に専念しながらの競技生活であり、決してスノーボード1つという生活ではありませんでした。
今回の記事を通して、1番伝えたいことは「なりたい自分になる」です。こんなありきたりな自己啓発本を引用したような言葉か、と感じるかもしれませんが、私はこの言葉とともに歩んできました。私から伝えられることは、何よりこれまでのその「なりたい」の「考え方」と「イメージ」と「取り組み」を通した経験を少しでも言葉に置き換え、こうした貴重な場を通して発信することです。この回では、基盤となる「考え方」、について皆様にお話させて頂きます。
ここからはどんな言葉もその画を思い描きながら、読んで頂けたら幸いです。文字として捉えずに、見て読み取ったものを感じたままに画にしてみましょう。自分のことかのように置き換え、自分が主人公になったつもりで。自分が考えていることがそのまま行動となるわけですが、どんなことも考えたことや思ったことに適応しようとします。よくイメージトレーニングと呼ばれるものを行う理由としては、自分があたかも何かをやっていることを頭の中で考えることで、やったことがないことでもやったかのように脳をだますことができ、結果、いざやった時に「できる」を体験することになります。疑似体験から記憶したことが現実なり、さらに強固に記憶されていく過程がイメージトレーニングの神髄です。
では、イメージをしていく上での基盤となる「考え方」ですが、私は後述のように捉えています。「なるようになる」は、つまり「成さねば成らぬ何事も」と同義語だと感じています。これが意味するのは、まずは何でもやれることからやってみようということです。やれないことをやれないと嘆いてもやれるようにはならないでしょう。であれば、自分にできることをやってみることが大切だと感じています。やることで誰でも得られることは、その「原因と結果」です。できることにも、できないことにも必ず答えがあります。これを難しいことから考えるのではなく、簡単なことから答えを見つけていく日々の積み重ねが、「分からない」を「分かる」に変えてくれます。この「分かる」までの過程で大切なことは、「取り組む」ということだと感じています。やることと同じ意味に感じるかもしれませんが、私は、これを「物事を繋ぎ合わせること」と捉えています。その物事とは、「原因と結果」です。自分がなりたいと願うものと自分の現在行っていることがそこへ向かっているのかどうか、近づいているのかどうか、そのギャップを埋める行為が「取り組み」です。やらなければ変わらない、やれば変わり、さらに変わるための道が見えます。
よく努力が報われなかったという言葉が使われます。しかし、それは果たして努力であったかどうか、そこから考えてみる必要がある時もあります。「努力は必ず報われる」という言葉ができたのはなぜだろうか。辞書を辿れば、努力とは、目的を達成するために力を尽くして励むことと記されています。目的を達成できなければ、その方法とは違う方法が必要であったと考えられます。 (右へ→)
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